南アルプスと世界遺産

 

南アルプスの魅力

 

農鳥から大唐松&雨池山

農鳥から大唐松&雨池山

植物(シナノコザクラ)

植物(シナノコザクラ)

ライチョウ

ライチョウ


 

■地形・地質


 山梨・長野・静岡の3県にまたがる南アルプスは、東側から甲斐駒山脈、白峰山脈、赤石山脈、伊那山脈と4つの山脈からなり、西側を中央構造線、東側を糸魚川−静岡構造線により区切られた、標高3,000mを越える高峰13座を有する我が国を代表する山岳地帯です。

 

 最近70年間の測地測量データによると、赤石山脈は年間4mm以上の速さで隆起し、この速さは日本では最速、世界でもトップレベルといわれています。

 また、仙丈ケ岳や荒川岳などでは、氷河地形のカールが存在するほか、構造土などの周氷河地形も多数確認できます。

 

■動物相

 

 南アルプスは広大な森林が残されているため、哺乳類は、ニホンカモシカ(国指定特別天然記念物)、ツキノワグマ、ホンドキツネなど30種類以上が確認されていますが、本州中部地方の山岳地帯とほぼ共通しています。

 

 一方、鳥類は、大井川上流域での調査結果では29科87種が確認されています。なお、南アルプスに生息し氷河期の遺存動物の一種であるライチョウ(国指定特別天然記念物)は、世界での生息地の南限として確認されています。

 

■植物相


 植物相は、植物地理からみて、東南アジアを中心に分布する南方系植物の北限と、アジア大陸を中心に分布する北方系植物の南限が重なり合う地域に相当するため、多様であることが特徴です。

 

 南アルプスは、日本を代表する高山植物の宝庫です。キタダケソウ、キタダケヨモギ、キタダケキンポウゲ、サンプクリンドウなど氷河期の依存種である固有種が多数存在しています。

 

 また、植生では、照葉樹林帯から高山帯までの顕著な垂直分布や、地質の相違に伴う植生の変化が見られます。なお、南アルプス最南端の光岳は、ハイマツ群落の南限地となっています。

 

■南アルプスの利用


 南アルプスの周囲には、前衛の山々がいくつもそびえ、このため、北アルプスに比べて地形が険しく、登山日数も長くなりますが、それだけに山頂を極めた時の感動は格別です。南アルプス国立公園の年間利用者は約65万人(平成17年)と他の国立公園と比較すると少なくなっています。これは、このアプローチの長さとともに、公園の利用者が主に登山利用を目的としているためであると考えられます。

 

南アルプス国立公園の利用者数の推移

平成11年

79万人

平成12年

81万人

平成13年

62万人

平成14年

62万人

平成15年

41万人

平成16年

62万人

平成17年

65万人

 

平成17年南アルプス国立公園の利用者数

区分

利用者数

山梨県

52.0万人

長野県

11.6万人

静岡県

1.4万人

合計

65.0万人

 

〜国立公園って?〜

 

 自然公園法に基づき、我が国を代表するすぐれた自然の風景地やそれに準ずる地域については、国立公園と国定公園に指定されています。

 

 国立公園は、我が国の風景を代表する優れた自然の風景地で、環境大臣が中央環境審議会の意見を聴いて指定し、国が管理をします。

 

 国定公園は、国立公園に準ずる自然の風景地で、都道府県の申出を受け、環境大臣が中央環境審議会の意見を聴いて指定し、都道府県が管理を行います。

 

 現在、全国で、国立公園は29箇所、国定公園は55箇所指定されています。

 

 南アルプス国立公園の地種区分別面積  単位:平方km

特別保護地区

特別地域

普通地域

合  計

第1種

第2種

第3種

小計

91.8

55.0

40.2

170.5

265.7

357.5

 

 

〜南アルプスの「大井川源流部」は本州唯一の原生自然環境保全地域〜

 

 原生自然環境保全地域は、「自然環境保全法」に基づき、原生的な自然環境の保全を図るため、「その地域の自然環境が人の活動によって影響を受けることなく原生の状態を保持している地域であって、この自然環境を保全することが特に必要な地域」を指定するものです。

 

 全国で5箇所(56.3ku)、この原生自然環境保全地域に指定されていますが、この南アルプスの「大井川源流部」は、本州で唯一の指定地域となっています。

南アルプスにおける原生自然環境保全地域

地域名

大井川源流部

位置

静岡県川根本町

面積

11.2ku

指定年月日

S51.3.22

自然環境の特徴

ツガを主とする温帯針葉樹林、亜寒帯針葉樹林